エゴレジは、ego「エゴ」とresilience「レジリエンス」という2つの言葉から成り立っています。

まず「エゴ」というのは、ご存知のとおり精神分析の父とされるフロイトが心の構造を表わすのに用いたものです。フロイトの「心の構造」は、エスes,超自我super-ego、そして、自我egoという3領域からなるモデルとして捉えています。

エスesは、人間の本能(欲望)の源泉であり,「~したい」「~したくない」と言った欲望の貯蔵庫のようなもので,不快を避け快を求める快楽原則に支配されていて、無意識です。非論理的で非現実的な思考や不道徳で衝動的な行動をもたらします。

超自我super-egoは,良心あるいは道徳的禁止機能を果たします。幼児期に両親との同一視やしつけなどを通して取り込まれた道徳律であって、快楽原則に従う本能的欲望を検閲し、抑圧します。意識的な場合もありますが、多くは無意識で後悔や罪責感といった感情をもたらします。

自我egoは、エスと超自我、加えて外界からの要求を現実原則に従って調整しています。自分でも気づかない無意識の領域からの感情や欲求に向き合い、一方でモラルや良心との板挟みになることも…。                                          私たちは、この自我egoの問題で悩み苦しんでいると言えます。ですから、この自我egoの強さが 健全なパーソナリティの原点であるとされています。

次に「レジリエンス」というのは、弾力性のことです。ストレスが「外からの力による歪み」であるのに対し、「外からの力が加わったときに,元の形に戻る力,はね返す力」がレジリエンスです。レジリエンスによって、外部からのストレスをうまくはね返す、あるいはストレスにうまく対応することができるのです。

エゴレジは,エスと超自我、加えて外界からの要求を現実原則に従って調整している「エゴ」と外からの力が加わったときに,元の形に戻る力,はね返す力である「レジリエンス」が合わさったものです。

したがってエゴレジは,日々のストレスに直面した(メゲた)とき、自我egoを調整しバランスをとって元の適応状態(元気な自分)に戻ろうとする力なのです。