落ち込みやストレスフルな状況から立ち直るのに有効なエゴレジを高める確実な方法は、「エゴレジ」チェックで示した14の項目の得点をあげていくことです。

1.思いやりの気持ちをもとう!

心理学では、「思いやり」の気持ちを左右するのは、その人の「共感性」の高さと考えられています。つまり、人の喜びや悲しみ、苦しみを自分のことのように感じ、それを相手にどのように伝え、表現するかがポイントになります。

気持ちを伝えるメールに絵文字を使ったり、書類の送付状に「お世話になっております」とか、「よろしくお願いします」など一言添える「ひと手間」で、用件のみを伝えるより相手の受ける印象は変わります。相手を思う気持ちが人間関係の支えとなり、それがエゴレジを高める力につながります。

2.きれいさっぱり忘れよう!

前回ご紹介したように、エゴレジの高い人は立ち直りが比較的早いのが特徴の一つです。言い換えれば、「気持ちの切り換えが早い」ということです。まずは「お気に入りのストレス対処法」を見つけること。個人差はありますが、自分にとって効果的な対処法をたくさん持っている人ほど、その状況に応じてうまくストレスを発散できるものです。

気晴らしをする、情報収集してみる、誰かに聞いてもらう、次にすべきことを考えてみる、早寝して忘れる、違った角度で見直してみる、呼吸法を試す、運動する…

どんなことでも「お気に入り」の対処法のレパートリーを増やしましょう。「気持ちの切り換え上手になる」ことが、エゴレジを高める第一歩です。

3.初めてのことでもまずは、やってみる!

新しい環境や人間関係にすぐ溶け込める人と、それが苦手な人がいます。ちょっと慣れない状況では、あなたのエゴレジは「オーバー」と「アンダー」を行ったり来たりして自分をコントロールし、バランスをとって頑張ってくれます。だから、多少苦手な状況であっても「まっ、やってみるか」と自分を信じて今までとはちょっと違うアプローチを試してみてください。

その行動が周りの状況も変えてくれます。初めは抵抗があっても、少しだけ努力を続けてみましょう。ステップアップしたら、そんな状況が「気が重い」からちょっと「楽しい」になるはずです。それはエゴレジがアップした証拠です。

4.「感じのいい人」と言われよう!

人に好印象を与えるには、第一印象が大切です。その人の印象は、服装や髪形、声のトーンや大きさなど全体の雰囲気に左右されます。

清潔感がある、明るい声で話す、笑顔で接する、話す内容と表情を一致させる、シンプルに伝える、相手の話をよく聞く、そしてプラスの一言も大事。例えば、趣味や今関心のあること、ちょっとした欠点(方向音痴)など自分の情報を少し付加すること(=親しみや人間味を出すこと)で相手の記憶に残ります。

これは、その場に適した働きかけであり、ふるまいです。エゴレジは、臨機応変にその場の状況にあわせられる力です。人に好印象を与えること、「感じがいい人」と思われることは、気遣いや心配りができる人になるということです。こうしたことが積み重なって、エゴレジは高められるのです。

5.なんでも進んで食べてみよう!

食わず嫌いの人に聞くと、ほとんどの場合、「思い込み」や「決めつけ」による理由があがります。この「思い込み」や「決めつけ」は心を頑なにしてしまいます。同じように、過去にたまたま経験した嫌な記憶がこびりついたまま、「絶対、無理!」と思っている人もいます。この「絶対」は曲者です。エゴレジのアップのためにはどんなことにも柔軟であることが大切です。

見た目やイメージで苦手としている食べ物がある学生に行った実験では、白子や牛タン、レバー、らっきょ、ザクロなど食べてみてもらった結果、「意外と美味しかった」「調理法が上手くて気づかずに食べた」「食べられないものではないと分かった」という感想が寄せられました。

自分の中の「頑な」な部分を取り払い、そこに「好奇心」をプラスしてチャレンジしてみませんか。少なくとも「絶対」をやめれば、「ダメ」ではない何かを発見できる可能性が生まれます。それがエゴレジの「柔軟性」を高めてくれます。

6.イキイキ輝こう! 

毎日の生活の中で「つまんないなぁ」とか「張り合いがないなぁ」と思っていませんか。そういう人の「生活満足度」や「やる気」を測定すると、満足度もやる気も低い「ヘトヘト」型か、やる気はあるけど満足はしていない「フーフー」型に分類されます。

「ヘトヘト」型は、ストレスがあって何をやっても楽しくない…だからやる気も起きないという悪循環。このタイプなら、2.でお勧めした「お気に入りの対処法」でまずは気持ちを切り換えましょう。一つだけでいいのです。好きなこと、やってみたいことを見つけて「楽しい」と思える時間を作りましょう。

「フーフー」型は、何事にも一生懸命な努力家…なのにやる気ばかりが空回りしてなかなか満足感が得られない。このタイプなら、意識して「休憩時間」を作りましょう。頑張る自分をほめてあげたり、今の自分の小さな満足を見つけてください。少しハードルを下げれば、楽しみながら取り組めることもありますから。

「ヘトヘト」「フーフー」を抜け出して、エゴレジを高め、日々の生活の中に満足感が持てる「イキイキ」型を目指しましょう。

7.たまには違う道を通ってみよう!

毎日の通勤に使う道はいつも同じほうですか、その日の気分や天候によって変えてみるほうですか。また事故や故障で乗ろうとした電車が不通になったら、どうしますか。動くまで待つ派?それとも迂回路を選ぶ派?もちろん、時間的な制約が最優先されることもありますが、一見非効率と思える経路や、遠回りを選んでみることもエゴレジを高めるヒントになります。実はエゴレジの高い人は、行動レパートリーの多さも特徴の一つなのです。迷ったり困ったり、行き詰ったりしたときの行動のレパートリーを増やすためには、「ムダ」と思えるような行動も役に立つものです。時にはムダな時間や行動を楽しんで、新しい発見をしてみてください。