🔴親切をすると、なんだか「いい気分」

あなたは普段、こんなちょっとした親切をしていませんか。

✔後ろの人のために、ドアを開けて待ってあげる
✔エレベータで降りる人のために「開」ボタンを押している
✔道に落ちているゴミを拾う
✔電車でお年寄りや妊婦に席を譲る

そうすることで、

「心がほんのり温かく、晴れ晴れするような幸せな気持ち」になります。その「いい気分」のもとになっているのが「オキシトシン」と呼ばれる神経物質です。以前のコラムでも紹介していますが、オキシトシンは別名「幸せホルモン」「愛情ホルモン」とも呼ばれ、ストレス社会の今日、注目を集めているホルモンです。

🔴心身を健康にする!オキシトシン7つの効果

オキシトシンは、他者とのふれあいによって分泌されますが、身体的なふれあいだけでなく、心のふれあいでも分泌されます

<オキシトシン7つの効果>

1.人への親近感、信頼感が増す
2.ストレスが消え、幸福感を得られる
3.血圧の上昇を抑える
4.心臓の機能をよくする
5.消化が良くなる
6.炎症をおさえる
7.老化を防ぎ、長寿になる

つまり、

親切をする→幸せホルモンのオキシトシンが分泌される→ストレスを解消し、心身ともに健康になる!という効果が生まれます。

何かを摂取したり、運動などをしなくても、ちょっとした親切ひとつで心もからだも健康になるのは凄い効果です。

脳の機能というと、特に変化しなさそうですが、実は日々の思考や行動の影響を受けて物理的に変化します。意識せずに繰り返す行動を「癖」と呼びますが、ある行動を繰り返したことにより、その部分の脳のネットワークが強くなったのです。

親切を習慣化すると心身が健康になります。なぜなら、脳内の神経の道筋が変化して、いい気分がより長く維持されるからです。それは行動だけでなく、思考を繰り返すだけでも、脳の構造が変化していきます。親切を心がける思考スイッチをオンにして、親切行動を増やしていけば、脳に科学的、構造的な変化が起こって、回路ができ、ますます親切な自分へと変わっていきます。つまり、親切な自分へと変わることによってさらに心身が健康になっていくのです。

🔴親切は工夫次第

親切は必ずしも体を動かす行為でなくてもいいということです。愛想をよくするだけでも、話を聞くだけでも、相手を褒めるだけでも、笑うだけでも親切になるのです。これであればお金も時間もかけずに親切をすることができます。私の今までの経験上、『人は自分の話を聞いてくれるだけでとても嬉しいと感じる』と思います。もし、あなたが何か親切をしたいのであれば、まずは『話を聞く』ということをしてみてください。また、それは意図的に人と仲良くなりたいときにも使えます。相手の話を聞くことで、相手に喜んでもらえて信頼関係を築くこともできます。

🔴親切は連鎖する

親切な行為を見たときにテンションが上がりませんか?私は親切な行為を見たときにとても嬉しい気持ちになり、自分も親切がしたくなります。それはまさにドミノ効果です。

人はまわりの感情に流され、共感し、自分自身の感情を変化させる生き物です。やさしくされてイヤな気持ちになる人はまずいないでしょうし、それは相手の情動をほんの少しでも動かす可能性が期待できます。

人にやさしくすれば、めぐりめぐって自分にいいことがかえってくる――。こんな意味の「情けは人のためならず」ということわざがありますが、実は、これは科学的に見ても正しかったことがわかりました。

スコットランド出身の有機化学博士であるディビット・ハミルトンが、「親切の五つの副作用」とそれが起こる科学的なメカニズム、親切とオキシトシンとの関係、オキシトシンの増やし方などについて、最新の心理学、医学、生理学、社会学の研究結果を紹介しています。(“親切は脳に効く”サンマーク出版)

誰かに親切にするとき、見返りを期待しているわけではなくても、いい意味での「副作用」が得られると著者はいいます。親切は、親切にした相手だけではなく本人にも幸福感をもたらし、心臓と血管の健康によく、アンチエイジングにもなる。そして人間関係を改善し、「波及効果」によってさらなる親切を生むというのです。

このように親切が心と体、そして人間関係にいいのは、親切によって脳内幸せホルモン「オキシトシン」が分泌されるからです。人にやさしく接することは、エゴレジにアップにも繋がります。やさしくしたからといって必ず感謝してもらえるわけでもないかもしれませんし、なんの得にもならないかもしれません。それでも、人にやさしくすることで心とからだの健康は必ずあなたの元にやってくるのです。