私たちの生活は、家庭や職場だけではなく、公園や町並みなどの風景、着ている服、おいしくいただく食事、日々使用している道具など、あらゆるシーンに色があふれています。特定の絵画や色彩を見て、気持ちが安らいだり、ときにはやる気に満ちたという経験はないでしょうか? これは色や絵画が脳に作用し、ストレスや不眠の解消などに効果があるからです。

 

🔴色の心理効果

近年、色の心理効果は科学的にも明らかにされています。色によってモノのイメージを押し出したり、人の気分を変えたり、状況によっては健康面に影響する場合もあります。

  • 暖色系
    交感神経を刺激し、血圧や脈拍、呼吸数を高めるという体を活動的にさせる色です。心理的にもアクティブな状態。この色の波長はパワーと気力を引き出してくれます。特に赤は活性のイメージを与え、エネルギーの発散を促します。また、暖色系の環境は実際の滞在時間よりも長居したと感じます。
  • 寒色系
    副交感神経を刺激し、生理機能を沈静させ、身体をリラックスさせる色です。筋肉組織を弛緩させます。また、寒色系の環境は実際の滞在時間よりも短くいたと感じます。

色には感覚的に生理作用や心理作用に効果を及ぼします。もちろん、個人差もあり、文化によって心理的に受ける影響も受け取り方が異なります。以下にいくつか主だった色の効果の紹介をします。

【赤】警戒心、注意力を喚起し、人間の感情的興奮や刺激をもたらす。赤は色の中で最も長い波長を持ち、交感神経に刺激を与え体温•血圧•脈をあげる。
【オレンジ】楽天的な印象をあたえ、陽気にみえる。消化、新陳代謝をよくする作用があるため、食欲を増進させる。血管や自律神経を刺激し身体を活動的にする。
【黄】明るさや希望を与える。運動神経を活性化させる。脳の活性化がよくなり頭の回転が早くなる。集中力がアップする。
【緑】情緒の安定、安心感の増加。身体を癒す色。筋肉の緊張をほぐし、リラックスさせてくれる。また、筋肉や骨その他組織の細胞を作る力を促進したり、暖和効果があるので血圧を下げる。
【青】爽快感、冷静を与える。鎮静作用があり、精神的に落ち着かせる作用がある。体温の低下、痛みの暖和などの作用もある。
【紫】高貴さ優雅さを表す。集中力アップ、鎮静効果。リンパ管や心筋、運動神経の働きを抑制する。
【黒】力強さ、高級感を与える。相手を威圧し、力を象徴する。
【白】純潔さや純真さを表す。過去を清算してリセットする色。

🔴右脳に作用する色彩

最近のデジタル社会では、多くの人が論理性をつかさどる左脳を活発に使用しています。その一方、色の感覚を知覚する右脳は左脳ほど頻繁に使われないケースが多いと言えます。このような左脳への偏重は、極度の疲労や過剰なストレスをもたらし、心の健康へも影響します。

生活に色彩を取り入れ、右脳の働きを活発にすることで、左右の脳のバランスがとれ、ストレスが解消しやすくなる効果があるとされています。

🔴効果的な色彩の取り入れ方

生活に色彩を取り入れるということは、難しいことではありません。最初は自分の好きな色を見つけるという簡単なことから始めて、生活に応用していくと、気持ちよく快適に過ごせるようになります。さらに脳の活性化、ひいては心と身体の健康へとつながります。

1.生活のなかで自分の色を確認する

好きな色・落ち着く色・やる気の出る色・食欲の出る色を確認

2.求める効果に応じて生活を彩る

寝室→落ち着き(青・緑)、
玄関→やる気(赤・ピンク)、
居間→清涼感(白・青・黄)、
職場の机→癒し(紫・緑)などを取り入れてみる

3.色を置き換えるイメージトレーニング(右脳も活性化)

聞こえるメロディーを色に置き換える、
会話などを通じて相手を色でイメージする、
モノに触れたときの感覚をイメージする

色彩を暮らしに取り入れることは、見た目が楽しくなるだけでなく、心理的、精神的、肉体的な効果を得ることができるのです。目から入った光は視覚のためだけでなく、脳の視床下部にある生命時計に届きます。この視床下部は、神経系、内分泌系を統制するいわば司令塔の部分で、神経系・内分泌系はともに人の精神状態と大きく関係するところです。だから、色の違い(光の波長の違い)によって、さまざまな変化をもたらすようです。

好奇心旺盛のエゴレジさんなら、ぜひ、生活に色彩をとりいれてみましょう。色を上手に生活の中で活用し、すこやかで楽しい生活にするためお役立てください。